CHAT NOIR 「DIFFICULT TO SEE YOU」
ちょっと前になりますが、こんな本が出てるのをご存知ですかな。「ヨーロッパ・ジャズの黄金時代」(星野秋男著)、 ヨーロッパのジャズに興味を持ち出して既に10年以上経ってるんですが、まだまだ知らないものが多いなぁ、と改めて思いましたよ。
今でこそ多くのヨーロッパ物がCD化されて良い時代になったものだと思いますが、星野氏が注目していたころは全く現物も無ければ情報も無い大変な時代。そんな暗中模索の中でコレは!と思えるモノに出会った時の喜びは今の私には想像できないほどの大きさだっただろうなぁ、なんて思います。大変だっただろうけどそんな喜びを味わう事が出来るなんてちょっと羨ましい気もしますね。星野氏や澤野工房の澤野氏、その他多くの知られざるジャズ・ファン(多分私の師匠のような人)の耳が今のヨーロッパ・ジャズ再発大国、日本を作ってきたんでしょうね。
読んでいて素直に聴いてみたいと思えるヨーロッパ・ジャズの読み物、入門書としても勿論、ヨーロッパ・ジャズの国毎の背景を知るのにも読みやすい本ですな。
まだまだ、メジャー、マイナー共に多くの知られざる名盤がCD化されずに埋もれているようですが、何とか私が生きているうちに再発されることを願っておりますよ。
いや~~~、コレは良い作品だ!スリリングだわ、まだ全曲聴いてないんですけど、最初の2曲でヤバいって感じ。
CHAT NOIR 「DIFFICULT TO SEE YOU」、何か全然違うんだけど、E. S. T. と同じベクトルを向きつつ、独自の世界を展開してるな。本作が3枚目、前2作はピアノ・トリオでこれ等もかなり素晴らしかったんですが、本作は完全に一皮剥けたな。
前作の時も感じたんですが、このグループのバックボーンはジャズではありませんね、E. S. T.は少なくともジャズを感じさせる流れがありましたね、モンク集も出していましたし。彼らの雰囲気はクラシックから入ってロックやプログレッシヴ・ロック、クラブ系とも絡むのかな、ジャズの要素は微塵も感じられません。
メロディが何かグイグイ心に食い込んでくるんですよ、、、聴いてると別世界に連れて行かれるようなアンビエントな浮遊感が何とも心地良い。それとピアノが突然ダイナミックに響いてきてモノスゲー、美旋律だったりする、ゾクゾクするねぇ!!
色んな装飾音が入ってきて先ず普通のジャズ・ファンは受け容れ難いでしょうね。でもピアノ好きの人は全く違う印象を受けるでしょう。私としてはE. S. T. 亡き後、最も心の隙間を満たしてくれるグループになりつつありますよ。
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